為替市場では23日、本日共に円が買い戻される場面が何回か見られ、クロス円を中心に徐々に上値を切り下げてきている。NZドル/円は88円台で推移していたが、本日の下落によって一時は87円46銭まで下値を広げた。現在は87円85銭まで値を戻しているが、現在の為替市場は調整色が強まりつつある為、クロス円の一段安という展開は十分に考えられるだろう。
本日NZドル/円と連動性の高い豪ドル/円は、10:30に発表された(豪)第1四半期消費者物価指数が+0.1%となり、市場予想の+0.6%を下回った事をきっかけに97円45銭まで下値を広げた。豪ドル/円日足チャート上のボリンジャー・バンドを見ると、これまで移動平均値と移動平均+a値の間で推移していたローソク足が、明確に移動平均値を割り込んでいる事が確認できる。この状態は2月27日を発端とした円キャリー解消売り以来初めてとなる為、これを機に本格的な調整に入る可能性も否めず、豪ドル/円が更なる下落となった場合、NZドル/円はつれ安となる公算が高い。
NZドル/円日足チャート上のボリンジャー・バンドは、現在の所ローソク足の実体部分は移動平均値に支えられて推移しているが、下髭は既に移動平均値割り込んでいる。その為、本日の引け値が87円63銭(ボリンジャー・バンド移動平均値)を割り込んだ場合は、下落バイアスが強まりNZドル/円が下方向へ推移する確率は高まるだろう。
また先週の「NZドル/円 来週の見通し」の中で「来週序盤(25日まで)は下値85円07銭~上値89円02銭でのレンジ内相場になると予想している」とお伝えし、現在の所85円07銭まで下げる場面は見られないが、調整色が強まり軟調に推移しているという点では我々の予想と一致している。
クロス円の本日・明日の見所としては、豪ドル/円が97円40銭付近を明確に割り込むか?という所がポイントとなるだろう。97円40銭付近は4月8日以降の豪ドル/円を支えているラインである為、同ラインを明確に割り込んだ場合は下落バイアスが増し、更に下値を広げる展開が予想される。現在クロス円を先導しているのは、ユーロ/円・豪ドル/円となる為、豪ドル/円がひとつの山場である97円40銭付近を割り込むと、クロス円全体で円買いが強まる可能性が考えられる。